不動産投資に興味があるけど今の知識で始めるのは不安。失敗しないための相談先を知りたい。今回はそのような方に向けてプロがおすすめする不動産投資を始める際に相談できる専門家を紹介します。相談したい内容ごとに選ぶべき専門家についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
不動産投資を独断で始めるのが危険な理由3選
不動産投資を独断で始めたい。他の意見をあまり聞きたくない。
投資初心者の中にも、そのような人はいるでしょう。
大前提として不動産投資を独断でスタートさせるのは危険であり、よほど自信がある場合を除いておすすめできません。
ここでは、その理由について大きく3つ解説します。
投資金額が大きくハイリスクになりやすい
まず、不動産は投資金額が大きいため、少ない情報だけでスタートするのはシンプルにリスクが高いです。
株式などの金融商品に対する小額投資であれば失敗してもダメージは少ないですが、不動産投資になるとそうはいきません。物件を購入した後で気づく建物の瑕疵など、投資をしてから気づくリスクも多くあるため、広く情報収集を行うことが、不動産投資で失敗しないための大切なポイントです。
銀行融資の上手な活用が難しい
不動産投資はほとんどの場合、銀行融資(ローン)を活用して物件を購入しますが、独断でスタートすると銀行融資をうまく活用できないリスクがあります。
悪条件で融資を受けてしまったり、そもそも銀行からの融資が受けられず投資をスタートできないリスクも考えられるでしょう。不動産投資を成功させる上で銀行融資はとても大切な要素であるため、広く正しく情報収集を行い最も良い条件の金融機関から借入することが大切です。
購入後の物件管理に苦戦することも
不動産投資を成功させる上で、盲点になりやすいのが物件を購入した後の管理面です。
物件管理とは、建物の修繕や清掃業務、入居付け、家賃の回収、クレーム対応など多岐に渡るため、物件を正しく運用する上で重要なポイントとなります。管理業務は基本的にそれを専門とする不動産管理会社に委託しますが、質の悪い会社を選んでしまうと物件の最適な運用はできません。
委託できる業務やサービス内容、管理戸数、入居率の実績など、複数の管理会社に相談し、比較した上で質の高い会社を選ぶことが大切なポイントです。
不動産投資を相談できる専門家
ここでは、今回のテーマである不動産投資を相談できる専門家について解説します。
内容によって相談するべき専門家は異なりますが、基本的にはすべての専門家に一度、話を聞くのがおすすめです。広く情報収集することに越したことはないので、ぜひ以下の内容を参考に積極的に相談するようにしましょう。
不動産売買仲介会社
物件選びや不動産購入に関わる手続きなどは、実際に物件情報を扱う不動産売買仲介会社に相談するのがおすすめです。
売買仲介に相談することで市場に出ている物件情報や物件選びのポイント、実際に購入するまでの流れについて知ることができます。投資用物件は会社や営業担当によって得意不得意があるので、投資用物件の売買実績が豊富な不動産会社、営業担当に相談するのがおすすめです。
不動産賃貸仲介会社
売買仲介ではなく賃貸仲介の会社に相談することで、投資しようとしているエリアの家賃相場や競合となる賃貸物件の情報を得ることができます。
投資エリアの賃貸ニーズや家賃相場を知ることは、投資物件を選ぶうえで大切なポイントなので、物件を購入する前に相談するのがベストです。賃貸仲介との関係性を良好にしておくことで、将来的に自分の物件の客付けを依頼する際に、強い味方になってもらえるメリットもあります。
不動産管理会社
購入後の物件管理に関することは、管理会社への相談がおすすめです。
管理会社によっては賃貸の客付けに力を入れている場合もあるので、合わせて相談してみましょう。物件管理は不動産投資において大切な要素であるため、管理サービスの内容や管理手数料の面など、実際に管理を委託する前提で相談するのをおすすめします。
不動産投資会社
物件選びから銀行ローンの斡旋、購入後の管理に至るまでワンストップで同じ会社に任せたい場合は、不動産投資会社がおすすめです。
不動産投資会社とは、投資用(収益用)の不動産を専門に開発しているデベロッパーのことであり、大手企業が多く、主にサラリーマン向けの投資商品を開発しています。提携の銀行や管理会社を持っている場合が多く、企業側の信用力やノウハウを活かして、初心者でも安全に投資をスタートさせやすい点が魅力です。
先輩大家さん
すでに不動産投資をしている人が周りにいる場合は、先輩大家さんにあたるため、一度相談してみることをおすすめします。
不動産投資をして実際に感じる魅力や苦労、経営努力の面など、リアルな声を聞くには、先輩大家さんに相談するのが実用性の高い方法です。周りに不動産投資家がいない場合でも、各地で開催されている大家会などに参加して情報収集することもできます。
税理士
節税目的に不動産投資を始める場合など、不動産に関わる税金について知りたい場合は、税金の専門家である税理士に相談するのがおすすめです。
不動産投資に関わる税金は複数ありますが、税理士であれば基本的にすべて相談できます。不動産に関わる税務に詳しい税理士であれば、不動産投資を始めてからも継続して効果的なアドバイスを受けたり、確定申告を依頼したりできるためおすすめです。
銀行
物件を購入する時のローン(融資)について相談したい場合は、銀行をはじめとする金融機関に相談するのがおすすめです。
不動産投資は銀行ローンを活用して始めるケースがほとんどですが、銀行ローンが使えないとそもそも投資をスタートすること自体ができません。銀行によって貸し出せる上限額や金利、ローン期間など、条件が異なるため、複数の金融機関を当たって比較してみることをおすすめします。
不動産投資でよくある相談10選
最後に、不動産投資を始める前の初心者によくある質問や相談内容を10個紹介します。それぞれ質問や相談に対する答えについての解説もあるので、ぜひ参考にしてください。
不動産投資って儲かる?
不動産投資を検討している人の中で最も多い相談内容は、この不動産投資は儲かるのか、という点です。
メディアやインターネットの情報では意見が分かれているだけに気になっている人は多いでしょう。結論、価値観によって異なりますが、不動産投資は単純なキャッシュフローだけにフォーカスすると、儲かる利益はそこまで多くありません。毎月の家賃収入が不動産投資の売上にあたりますが、そこからローンの返済や必要経費が差し引かれるため、残るプラスの利益は少ないです。もちろん規模を拡大していけば、毎月のキャッシュフローは増えますが、売上全体に対する利益の割合を考えると儲かるとは言えないでしょう。
しかし、だからといって不動産投資に魅力がないかというとそんなことはありません。銀行ローンと家賃収入による他人資本で資産形成できることや生命保険効果があることなど、総合的な面でメリットを考えるべき投資と言えます。
銀行ローンが利用できるか不安
不動産投資は銀行ローンで物件を購入するため、ローンが利用できるか不安という声も多いです。
不動産投資向けのローンが活況であった数年前と比べて、現在は融資を受けるハードルが上がっているため、より不安を感じている人は多いでしょう。不動産投資向けのメディアにおいても、以前より融資を受けにくくなったという情報をよく目にします。
ただ、複数の金融機関に当たって粘り強く交渉すれば、実績のない投資初心者でも融資を受けることは可能です。はじめは断られても物件選定や事業計画書の作成を戦略的に行うことで、融資が受けられる場合もあります。自分で物件選定や事業計画書の作成を行うのが面倒、または自信がないという場合は、ワンストップで依頼できる不動産投資会社がおすすめです。
必要な自己資金はどれくらい?
不動産投資は、物件価格が高額であるため、はじめの自己資金について不安を感じている人は多くいます。
もちろん多いに越したことはありませんが、銀行ローンをうまく活用することではじめの自己資金を抑えて運用することは可能です。物件価格に対して5%〜20%ほどが、一般的な自己資金の目安ですが、さらに少ない資金で物件を購入している投資家もいます。
銀行ローンを活用することで自己資金を抑えられることは不動産投資の大きなメリットなので、資金が少ない人は、ローンの上手な活用を検討してみましょう。
物件購入時の初期費用とは?
不動産投資における初期費用とは、物件を取得するのにかかる物件価格以外の必要経費のことです。
具体的には、仲介手数料やローン手数料、登記費用(司法書士報酬含む)、火災・地震保険、不動産取得税、固定資産税清算金などが初期費用に該当します。購入する物件価格に比例して初期費用も高くなりますが、概ね物件価格の8%前後が目安になります。
管理はすべて委託できる?
検討している物件が遠方である場合など、管理面はすべて委託できるのかと気になっている人も多いでしょう。結論、管理はすべて専門とする不動産管理会社に委託することができます。注意点として、管理の質やサービス内容は管理会社によって大きく異なるという点です。
管理会社選びは、不動産投資を成功させる上で重要なポイントなので、複数の会社を比較した上で信頼できる管理会社を選びましょう。
物件の選び方が分からない
購入する物件の選び方は、不動産投資家として永遠のテーマですが、特にまだ物件を取得したことのない初心者に多い悩みです。不動産は高額であり、投資経験のない状態で物件の選び方に迷ってしまうのはある意味当然と言えます。物件選びは焦らず、とにかく複数の物件に足を運んで比較・検討することで、自分が買いたい物件をイメージすることが大切です。
投資家によって物件の見方や評価方法は異なるため、できるだけ多くの物件を見ることで自分なりの正解を探していくことも必要となります。
新築と中古どっちがおすすめ?
投資するなら新築と中古どっちがおすすめなのかは、不動産投資向けのメディアでよく取り上げられるテーマです。結論から言うと投資家の考え方次第になりますが、購入した後のリスクを考えると初心者のうちは、できるだけ築年数の浅い物件をおすすめします。理由は築古になるほど購入前に修繕リスクを見極めるのが難しく、購入後すぐに多額の修繕費がかかってしまう可能性があるからです。
物件の稼働率を考えても築浅の方が客付けしやすいため、賃貸経営のノウハウが蓄積されるまでは、新築もしくは築浅物件がよいでしょう。
経年によるリフォームや修繕費はかかる?
物件を初めて購入する場合には、将来的なリフォーム、修繕費用についても気になるところです。結論から言うと、構造や築年数によって異なりますが、経年によるリフォームや修繕費用はかかります。木造であれば新築から10年前後でかかり出すので、築10年以上の物件を購入する場合には注意が必要です。
投資なのでできるだけ費用をかけたくないところですが、過度に怠ると将来的に莫大な修繕コストがかかるリスクもあります。
購入する物件のエリアはどう選ぶのか
物件を購入するエリアは正解こそないものの、賃貸需要を考えたエリア選定は失敗しないために重要なポイントです。人口動向はもちろん、ファミリーが多いのか単身が多いのか、社会人を狙うのか学生狙いなのかなど、ターゲットを明確にエリアを選ぶようにしましょう。
失敗しないために大切なポイント
不動産投資は成功するための方法を考えるより、失敗しない方法を考える方が基本的にうまくいきます。重要なポイントは物件、融資、管理の3点であり、良い物件を良い融資条件で購入し、質の高い管理のもとで運用すれば、不動産投資に失敗するリスクは低いです。
また、不動産投資は不労所得のイメージが強いですが、物件選定から融資付け、管理面など、他人任せは失敗につながります。投資と言ってもあくまで賃貸物件を商品とした賃貸事業であるため、事業者としての意識を持って投資行動に移すことで、失敗するリスクを限りなく抑えることができます。
まとめ
今回は、不動産投資を始める際に相談できる専門家をテーマに、具体的な相談先やよくある相談内容を解説しました。
不動産投資の相談先は相談したい内容によって異なりますが、基本的には今回紹介した専門家すべてに相談するのがおすすめです。それぞれ専門性を持ったプロなので、広く話を聞くことで気づきにつながります。
解説したよくある相談内容も参考に、専門家のさまざまな意見を取り入れながら自分の投資スタンスを見つけてみてください。