新築アパート投資の基礎知識を得たい。収益を上げるためのポイントやメリット、デメリットも知りたい。今回はそのような方に向けて新築アパート投資の基礎知識をテーマに解説します。収益を高めるポイントやメリット、デメリットについても解説するので、新築アパート投資に興味がある人はぜひ参考にしてください。
新築アパート投資のメリット
まず、新築アパート投資のメリットについて解説します。不動産投資の中でも新築アパートならではの魅力を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
メリット1:入居率を安定させやすい
新築アパートは賃貸需要が高いため、入居付けのハードルが低く入居率を安定させやすいメリットがあります。不動産投資は家賃収入によって収益を得る賃貸事業であるため、入居率の安定が投資の安定につながります。新築時は相場より割高のプレミアム賃料を設定できるので、収益性を高めやすい点も魅力的なポイントです。
入居付けのハードルが低く事業を安定させやすいという特徴から、新築アパート投資は、投資経験のない初心者でも始めやすい投資として人気があります。
メリット2:修繕計画が立てやすい
新築アパートは購入してからの経年劣化による修繕計画が立てやすいメリットもあります。
中古物件の場合、購入後すぐに想定外の修繕費が発生するケースもありますが、新築アパートであれば基本的に買ってすぐの修繕費を心配する必要はありません。どのような管理をしてきたか分からない中古物件と違って、新築アパートははじめから管理や修繕の状況が把握できることも安心できるポイントです。
修繕計画が立てやすいことで資金計画も立てやすくなるので、急な出費によって資金がショートし、事業の継続が難しくなるリスクを軽減できます。出ていくお金の計画が立てやすいことは新築アパート投資の大きな魅力であり、投資初心者にもおすすめできる理由の1つです。
メリット3:銀行融資を受けやすい
入居率や資金計画などの点から事業を安定させやすい新築アパート投資は、銀行からの評価が高く融資を受けやすい傾向があります。融資を受けるハードルが低いだけでなく条件も良い場合が多いことは、新築アパート投資ならではの特徴であり大きな魅力です。
マンションのように建物だけでなく、土地部分の価値が大きい新築アパートは、物件の担保評価が高く自己資金が少ない人でも購入できる可能性は十分にあります。銀行融資を利用してレバレッジ効果を得られることは不動産投資のメリットですが、物件の評価が低いと、簡単に融資を受けることは難しいです。銀行の承認が得られることは事業性が高い証拠でもあるので、新築アパート投資は第三者の客観的な視点からも魅力的な投資と言えます。
メリット4:生命保険効果があり、保険商品としても優秀
新築アパート向けの銀行ローンは、住宅ローンと同じく団体信用生命保険(団信)に加入するケースが多く、もしもの際の保険効果を得られるメリットもあります。団体生命保険とは、ローンの返済中に死亡や高度障害など、契約者にもしもの事態が起きた際にローンが完済される保険のことです。残された遺族には、無借金のアパートだけでなくローン返済のない毎月の家賃収入がそのまま得られるため、保険商品としても優秀と言えます。
また、通常の保険だと保険料を自分の財布から支払う必要がありますが、団信の場合は、ローンの金利に組み込まれるため、家賃収入から保険料を払える点も嬉しいポイントです。実際に新築アパート投資を始めるタイミングで保険の見直しをすることで保険料の負担を抑えられるケースは多くあります。
メリット5:出口戦略がとりやすい(売却にも強い)
新築アパートは保有するだけでなく売却にも強く「出口戦略をとりやすい点」もメリットです。マンションと比較して土地部分の価値が大きいアパートは地価が上昇している際の恩恵を受けやすく、インフレ時には大きな売却益を得られるケースがあります。
購入時が新築であれば10年所有して売却したとしても築10年の物件になるので、買い手が銀行融資を利用しやすい点も売却に強いポイントです。築古物件になるほど銀行融資のハードルは上がるため、購入するのはもちろん売却する際の出口戦略も難しくなります。
不動産投資において出口戦略を考えることはリスクを抑える上で重要なポイントですが、新築アパート投資は最も出口を取りやすい投資の1つです。
メリット6:立地を選べることで空室リスクを抑えられる
土地と建物をセットで購入する新築アパート投資は立地を選べるメリットがあります。不動産投資において物件の立地は空室リスクを抑えることや出口戦略の面で重要なポイントです。
立地が良い物件ほど建物が古くなった際の家賃下落が少なく、土地部分の資産価値が高いため出口戦略をとりやすい傾向があります。建物は後で建て替えることができますが、立地だけは動かすことができないため、自分で立地を選べることは新築アパート投資の大きな強みです。
新築アパート投資のデメリット
不動産投資の中でも魅力が多い新築アパート投資ですが、デメリットや注意点もいくつかあります。ここでは新築アパート投資を始める際のデメリットについて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
高額投資で心理的ハードルが高い
まず、新築アパートは土地と建物をセットで購入するため、投資金額が高額であり始める際の心理的ハードルは高いです。同じ投資物件でも数百万円で購入できる区分マンションと比較すると、新築アパートは少なくても数千万円から、億を超える物件も多々あります。
物件価格が高くなると銀行から借り入れるローンも高額になるため、投資を決断する際の心理的ハードルは、初心者ほど高くなるでしょう。
投資の回収に時間がかかる
投資金額が高額である新築アパートは投資資金の回収に時間がかかる点もデメリットです。特に同じエリアの中古物件と比較すると新築の利回りは基本的に低くなるため、資金を回収するまでの期間を考えると新築にデメリットを感じる投資家はいます。例えば、表面利回りが5%の新築物件と10%の中古物件を比較すると資金を回収するまでの時間は新築の方が2倍多くかかります。
購入後の空室リスクが少ない、急な修繕が発生しないなど、安定している反面、利回りが低く投資資金の回収に時間がかかる点は注意が必要です。
入退去による家賃下落が大きい
新築プレミアムによって相場より高い家賃設定ができる新築アパートは、中古物件と比べて入退去による家賃下落が激しい場合があります。はじめの賃料が長く続くと思って物件を購入すると、退去が発生したタイミングで家賃が下落し、月々のキャッシュフローが大きく悪化する可能性があるため注意が必要です。
賃貸物件の賃料は下がっても一定水準の相場に落ち着き、その後は下がりにくい傾向があるため、物件選定の際には家賃が一定まで下落する前提で収支計画を立てることが大切です。
不動産投資会社の選定が難しい
都市部を中心として新築アパートの開発を行う会社はたくさんあり、どこから購入するか迷ってしまう点も難しいポイントです。ネット上の口コミを参考にすることもできますが、良くも悪くも情報がありふれているため、何が正しいのか判断に迷ってしまいます。
また、新築アパートのデベロッパーは、自社物件の管理をしている会社が多いため、購入後のことを考えて、物件だけでなく管理の質についても見極めなければなりません。会社のホームページを見ても基本的に自社のメリットだけを記載しているため、情報収集する中で自分なりに分析し、比較していく必要があります。
初心者のうちは投資を判断するための基準がないため、複数の会社から話を聞くうちに何が正しいのか分からなくなり、投資を断念してしまう人は多いです。
新築アパート投資の収益ポイント
ここでは新築アパート投資の収益ポイントについて解説します。
新築アパートは、ポイントを押さえて投資することで安定的に収益化できるため、ぜひ以下で解説する内容を参考に投資を検討してみてください。
収益化のポイント①|立地を厳選する
新築アパートに限らず不動産投資で最も大切なことは立地選びです。先述したように建物は建て替えができますが、立地だけは動かすことができません。
物件を検討する際には必ず現地を下見し、交通面や生活面の利便性を確認した上で物件を選ぶことが大切です。
収益化のポイント②|周辺の賃貸ニーズを調査する
立地を選ぶことに加えて周辺の賃貸ニーズを調査することも収益力アップのため大切なポイントです。例えば、一般的に人気と言われるエリアであってもファミリーが多い場所で、1Rや1Kなど単身向けアパートを運営するのはリスクが高くおすすめしません。
アパートの間取りに対して周辺の賃貸ニーズはどうか、競合となる物件の供給戸数、周辺エリアの空室率はいくつか、など調査するとエリアごとの賃貸ニーズは見えてきます。ネット上の情報収集はもちろん、周辺の賃貸仲介会社にヒアリングすると正確な情報を得ることができるためおすすめです。
収益化のポイント③|入居率を確認する
自社物件の管理を行っている不動産投資会社であれば、管理物件の入居率を確認することも大切なポイントです。物件管理は不動産投資を長く続ける上で重要なので、管理の質も合わせてパートナーとなる会社を選ぶことが成功につながります。
管理戸数が多く入居率が高い不動産投資会社であれば、好立地の物件を開発して質の高い管理を行っている可能性が高いのでおすすめです。
収益化のポイント④|良い条件で融資を受ける
不動産投資の収益性は物件から得られる家賃収入だけでなく、銀行融資の条件も大切な要素となります。いくら適切に物件を運営して家賃収入を得ても毎月のローン返済が多いと、キャッシュフローを最大化することができないからです。
不動産投資会社は提携している銀行がある場合が多いので、会社選びの際には利用できる銀行の融資条件も合わせて検討することをおすすめします。不動産投資向けの銀行融資を比較する場合には、できるだけ低金利で長期のローンが組める銀行がおすすめです。
収益化のポイント⑤|購入段階で出口戦略を考える
長期的に所有を続けて運用するだけでなく、将来的に売却したい場合の出口戦略を考えることも収益アップにつながります。これから都市開発が進むエリアや公共交通機関の発達が見込まれるエリアなどは、将来的に売却することで大きなキャピタルゲインが狙える可能性が高いです。
出口戦略を考えることは適切な物件選びや将来的なリスクヘッジにもつながるため、物件を検討する際には、出口戦略も考えた上で判断するようにしましょう。
新築アパート投資に向いている人
最後に新築アパート投資に向いている人の特徴について解説します。
新築アパート投資はとても魅力の多い投資ですが、向き不向きがはっきりしている投資です。ここでは、新築アパート投資に向いていて尚且つ成功しやすい人の特徴を3つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。
長期的な資産形成がしたい
まず1つ目の特徴は、長期的な視点で資産形成がしたい人です。
新築アパート投資は安定していてリスクが少ない反面、短期的に大きな収益が得られる投資ではありません。儲けを意識するあまり表面上の利回りだけを意識して物件を購入した結果、大失敗するケースは、不動産投資において典型的な失敗事例です。
長期的な資産形成を意識することで新築アパート投資は失敗のリスクを大幅に軽減できるため、結果的に成功につながる可能性が高くなります。
他に本業を持っている
会社員や公務員など、他に本業を持っている人も不動産投資に向いています。
株式投資や外貨投資のように常に値動きが気になる投資と異なり、不動産投資は毎月安定した家賃収入を得ながら将来的な資産形成をすることが可能です。自営業者や経営者よりも会社員や公務員の方が、基本的に銀行融資も利用しやすいので、物件を購入する際の資金調達の面でも有利な場合が多いです。
リスクの低い不動産投資がしたい
不動産投資の中でも低リスクな投資がしたい人も新築アパート投資が向いています。
先述したように、同じアパート投資でも中古物件の方が高利回りですが、新築の方が安定しており修繕費などの急な出費によって資金計画が狂うリスクも少ないです。購入する物件さえ間違えなければ新築アパートは安定して運営できる可能性が高いため、まだ物件を購入していない投資初心者にもおすすめできます。
まとめ
今回は、新築アパート投資のメリットやデメリット、収益アップのポイントなど、基礎的な知識について解説しました。新アパート投資は基本的なポイントを守って投資をすれば安定的に運営しやすい魅力的な投資です。
一般的な会社員や公務員でも取り組むことができ、将来的な年金対策や資産形成をする上で、非常に有効な投資であるため、興味がある人はぜひ検討にしてみてください。