住宅ローンを変動金利で借りている方にとって、金利上昇は気になる問題の一つです。今後も金利が上がれば、毎月の返済額が増え、家計への負担が大きくなる可能性があります。
「このまま住宅ローンを払い続けられるだろうか」「返済が苦しくなる前に家を売ったほうがよいのだろうか」と、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
しかし、金利が上昇したからといって、すぐに家を売るべきとは限りません。住宅ローンの残債や不動産の売却価格、現在の収支、今後の生活設計などによって、適切な判断は異なります。また、家を売却しても住宅ローンを完済できない「オーバーローン」の状態では、通常の売却が難しくなることもあります。
このコラムでは、変動金利の上昇が住宅ローンに与える影響を整理したうえで、家を売却するかどうかの判断基準、残債がある場合の注意点、オーバーローン時の選択肢について解説します。
住宅ローンの変動金利が上昇するとどうなるか

変動金利の上昇は、住宅ローンの返済額や家計に影響を与える可能性があります。まずは、金利が上がると返済額がどう変わるのか、知っておきたい仕組みと注意点を確認しましょう。
変動金利は市場金利などの影響を受けて変わる
住宅ローンの変動金利は、金融機関が定める基準金利などをもとに決まり、金融情勢の変化に応じて見直されます。
日本銀行の金融政策や市場金利の動向は、住宅ローン金利にも影響を与える要因です。ただし、政策金利が変更されたからといって、すべての住宅ローンの適用金利が同じ幅で、同じタイミングに上昇するわけではありません。
変動金利には、借入時の金利を比較的低く抑えられるメリットがある一方、市場金利などが上昇すると、将来の利息負担が増えるリスクがあります。
住宅ローンを借り入れた当初は無理なく返済できていても、金利が上昇すれば、家計の収支を見直す必要が生じるかもしれません。
金利上昇で毎月の返済額はどのくらい変わるか
金利上昇による影響を把握するには、実際に返済額がどの程度変わる可能性があるのかを確認しておくことが大切です。
例えば、借入残高3,000万円、残りの返済期間25年、元利均等返済、ボーナス返済なしという条件で、金利が変わらない場合と上昇した場合を比較してみましょう。
| 適用金利 | 毎月の返済額(概算) |
|---|---|
| 年0.5% | 約10万6,400円 |
| 年1.0% | 約11万3,100円 |
| 年1.5% | 約12万円 |
| 年2.0% | 約12万7,100円 |
※上記は各金利が完済まで適用されると仮定した試算です。実際の変動金利型住宅ローンでは、適用金利の見直し時期や返済額の変更ルールなどによって、返済額の変化は異なります。諸費用なども含めていません。
この例では、金利が年0.5%から年2.0%になると、毎月の返済額は約2万円増加します。年間では約24万円の負担増です。月々2万円の増加であっても、食費や光熱費、教育費などが増えている家庭では、家計への影響は小さくありません。ただし、実際の負担は借入残高や残りの返済期間によって異なります。
まずは自分の住宅ローンについて、現在の適用金利と返済予定を確認しましょう。
5年ルール・125%ルールがあっても注意が必要
変動金利の住宅ローンには、「5年ルール」や「125%ルール」が適用される場合があります。
これらは、金利上昇時の返済額の急激な変化を抑えるための仕組みです。ただし、すべての住宅ローンに適用されるわけではなく、金融機関や契約内容によって異なります。
| ルール | 仕組み | 注意点 |
|---|---|---|
| 5年ルール | 金利が変わっても、一定期間は毎月の返済額を据え置く | 返済額が同じでも、利息の割合が増える場合がある |
| 125%ルール | 返済額の見直し時に、新しい返済額を従来の125%以内に抑える | 返済負担の増加がなくなるわけではない |
※一般に、元利均等返済の変動金利型住宅ローンで適用されることがあるルールです。元金均等返済などでは適用されない場合があります。
これらのルールが適用されていても、金利上昇による利息負担の増加がなくなるわけではありません。返済額が据え置かれている間に元金の減少が遅くなったり、条件によっては未払利息が発生したりする可能性もあります。
そのため、毎月の引き落とし額だけを見て「今までどおりだから問題ない」と判断するのは避けましょう。返済予定表などで元金と利息の内訳を確認し、将来的な返済負担も把握しておくことが大切です。
金利上昇が不安なら家を売るべきか

金利上昇によって住宅ローンの負担が増えると、家の売却を考える方もいるでしょう。
しかし、売却が適切かどうかは、金利の動向だけで判断できるものではありません。
売却を検討したいケース
例えば、次のような状況では、家の売却を具体的に検討する価値があります。
- 金利上昇によって返済額が増えると、生活費や教育費などを確保できなくなる
- 収入の減少や転職などにより、今後の返済継続に不安がある
- 住宅ローンの返済が家計を圧迫し、貯蓄を取り崩す状態が続いている
- 子どもの独立や転勤などによって、現在の物件に住み続ける必要性が低くなった
- 不動産の売却価格が比較的高く、売却後の資金を確保できる可能性がある
こうしたケースでは、返済が難しくなってから対応するのではなく、余裕があるうちに売却価格や住み替え費用などを確認しておくことが重要です。売却によって住宅ローンを完済でき、住居費を含めた生活設計を改善できるのであれば、有力な選択肢になるでしょう。
売却を急がなくてもよいケース
一方、次のような場合は、すぐに売却するのではなく、ほかの対策も含めて比較することが大切です。
- 金利が上昇しても、現在の収入で無理なく返済できる
- 家族が現在の住まいを気に入っており、今後も長く住み続けたい
- 売却価格が住宅ローンの残債を下回り、売却資金だけでは完済できない
- 売却後に賃貸住宅へ移ることで、住居費がかえって増える可能性がある
- 借り換えや家計の見直しによって、返済負担を軽減できる可能性がある
特に注意したいのは、住宅ローンの返済額だけを比較して売却を判断することです。
家を売却しても、新しい住まいを確保する必要があります。賃貸住宅に移る場合は家賃や初期費用が発生し、別の物件を購入する場合は新たな住宅ローンや諸費用が必要になることもあります。
売却によって住宅ローンの問題が解決しても、住居費全体が増えてしまっては、家計の改善につながらない可能性があります。
売却の判断では何を比較すればよいか
売却を検討する際は、現在の住宅ローンを払い続けた場合と、売却して住み替えた場合の両方について、費用や生活への影響を比較しましょう。
| 比較項目 | 住み続ける場合 | 売却する場合 |
|---|---|---|
| 住宅ローン | 金利上昇による負担増を確認 | 売却代金で完済できるか確認 |
| 住居費 | ローン返済、固定資産税、修繕費など | 家賃または新居のローン、引っ越し費用など |
| 家計への影響 | 今後の返済額に耐えられるか | 売却後も生活費を確保できるか |
| 生活環境 | 現在の住環境を維持できる | 通勤・通学や生活環境が変わる |
| 将来のリスク | さらなる金利上昇や収入減少 | 売却価格の変動や住み替え費用 |
このように整理すると、単に「売るか、売らないか」ではなく、どの選択肢が今後の生活に合っているのかを判断しやすくなります。
住宅ローンの残債がある家は売却できるか

住宅ローンが残っていても、家を売却すること自体は可能です。
ただし、一般的な住宅ローンでは、金融機関が物件に「抵当権」を設定しています。売却時には、原則として住宅ローンを完済し、抵当権を抹消する必要があります。そのため、売却できるかどうかを判断する際は、不動産の売却価格と住宅ローンの残債を比較することが重要です。
ここからは、売却価格と残債の状況別にそれぞれ見てきましょう。
【売却価格>残債】売却価格が残債を上回る場合
例えば、住宅ローンの残債が2,000万円で、家が2,500万円で売却できたとします。
この場合、売却代金から住宅ローンを完済し、仲介手数料などの諸費用を支払った後も、資金が残る可能性があります。売却価格が残債を上回っている状態は、一般に「アンダーローン」と呼ばれます。
ただし、売却価格と残債の差額がそのまま手元に残るわけではありません。売却にかかる費用も含めて計算する必要があります。
例えば、次のように考えます。
◼︎売却価格が残債を上回る場合
| 項目 | 金額の例 |
|---|---|
| 不動産の売却価格 | 2,500万円 |
| 住宅ローンの残債 | 2,000万円 |
| 売却にかかる諸費用 | 100万円 |
| 売却後に残る資金 | 400万円 |
※金額は説明用の仮定です。実際の売却価格や費用は物件や取引条件などによって異なります。
このケースでは、売却後に400万円の資金が残る計算です。住み替えの初期費用や引っ越し費用などに充てられる可能性があります。ただし、譲渡所得が生じる場合の税金など、別途確認が必要な費用もあります。
【売却価格=残債】売却価格と残債がほぼ同じ場合
売却価格と住宅ローンの残債がほぼ同じ場合は、売却代金でローンを完済できるかどうかを慎重に確認しなければなりません。
例えば、残債が2,500万円で、売却価格も2,500万円だったとします。
一見すると売却代金で完済できるように思えますが、実際には仲介手数料などの諸費用が発生します。そのため、売却代金だけでは住宅ローンを完済できず、自己資金を追加する必要が生じる可能性があります。
売却を検討する際は、残債と売却価格の差だけでなく、諸費用を差し引いた後の金額まで確認することが大切です。
【売却価格<残債】売却価格が残債を下回る場合
不動産の売却価格が住宅ローンの残債を下回る状態を「オーバーローン」といいます。
例として、住宅ローンの残債が3,000万円ある一方で、家の売却価格が2,500万円だった場合、500万円の差額が生じます。さらに売却にかかる諸費用も必要になるため、実際には500万円以上の資金が不足する可能性があります。
このような場合、通常の売却では、売却代金だけで住宅ローンを完済できません。自己資金で不足分を補えなければ、金融機関との調整が必要になることがあります。
そのため、オーバーローンの可能性がある場合は、売却価格を調べるだけでなく、住宅ローンの残債と手元資金を早めに確認しておきましょう。
オーバーローンでも家を売却する方法はあるのか

住宅ローンの残債が売却価格を上回っているからといって、必ずしも売却を諦めなければならないわけではありません。通常の売却とは異なる対応が必要になる場合があるため、事前に確認をしておくことが賢明でしょう。
方法1:自己資金で不足分を補う
オーバーローンの場合でも、売却代金で不足する金額を自己資金で補えるのであれば、住宅ローンを完済して売却できる可能性があります。
住宅ローンの残債が3,000万円、売却価格が2,700万円、売却にかかる諸費用が100万円の場合を考えてみましょう。
このケースでは、売却代金から残債と諸費用を差し引くと、400万円が不足します。自己資金で不足額を補えるのであれば、通常の売却を進められる可能性があります。
ただし、注意しておきたいのは手元の貯蓄を大きく減らしてしまうと、売却後の生活費や急な出費に対応できなくなるおそれです。自己資金を使う場合は、売却後に必要となる生活防衛資金や住み替え費用も含めて判断しましょう。
方法2:住み替えローンを利用する
住み替えローンとは、現在の住宅ローンを完済するために不足する資金と、新居の購入資金をまとめて借り入れる仕組みです。
例えば、現在の家を売却しても住宅ローンが500万円残る場合、その不足分と新居の購入資金をまとめて借り入れる方法が考えられます。
住み替えローンを利用できれば、自己資金だけでは不足分を補えない場合でも、新居への住み替えを実現できる可能性があります。ただし、利用には金融機関の審査があり、必ず借り入れられるわけではありません。また、売却代金で完済できない分まで新たに借り入れるため、借入総額が大きくなる点にも注意が必要です。
そして借り換えたはいいものの、新居の住宅ローン返済額が増えれば、金利上昇への不安が解消されない可能性もあります。
利用を検討する場合は、借入額だけでなく、金利や毎月の返済額、将来の家計への影響まで確認しましょう。
方法3:任意売却を検討する
住宅ローンの返済が難しく、通常の売却では完済できない場合は、「任意売却」という方法もあります。
任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった際に、金融機関などの債権者の同意を得て、不動産を売却する方法です。通常、住宅ローンが残っている不動産を売却するには、ローンを完済して抵当権を抹消する必要があります。しかし、任意売却では、売却代金で住宅ローンを完済できない場合でも、債権者との調整によって売却できる可能性があります。
ただし、任意売却は、オーバーローンであれば誰でも自由に利用できる制度ではありません。債権者との交渉や合意が必要であり、売却後も残債の返済義務が残ることがあります。
そして、返済状況や金融機関の対応などによって手続きが異なるため、検討をしているのであれば早めに相談することが重要です。
住宅ローンの返済がすでに難しくなっている場合は、金融機関や任意売却に詳しい専門家などに相談し、利用できる方法を確認しましょう。
家を売却する前に検討したい選択肢

ここまで、住宅ローンの金利上昇による影響や、家を売却する際の判断基準、残債がある場合の注意点について解説しました。
金利上昇による返済負担が不安でも、家を売却することだけが解決策ではありません。金利上昇による返済負担が不安でも、家を売却することだけが解決策ではありません。現在の家に住み続けることも視野に入れ、ほかにどのような選択肢があるのか確認してみましょう。
方法1:住宅ローンの借り換えを検討する
住宅ローンの借り換えとは、現在の住宅ローンを別の金融機関のローンに切り替えることです。現在よりも有利な金利や条件で借り換えができれば、将来の利息負担や毎月の返済額を軽減できる可能性があります。ただし、注意しておきたいのは、借り換えによって必ず返済負担が減るとは限らないことです。
借り換えには、事務手数料や登記費用などの諸費用がかかる場合があります。合わせて審査が必要であり、希望する条件で借り入れられるとは限りません。さらには現在の住宅ローンの金利や残りの返済期間によっては、借り換えによるメリットが小さいこともあります。
そのため、借り換えを検討する際は、金利だけを比較するのではなく、諸費用を含めた総返済額で判断することをおすすめします。
方法2:固定金利への変更を検討する
変動金利の上昇リスクが気になる場合は、固定金利への変更も選択肢の一つです。
固定金利は、一定期間または全返済期間にわたって金利が固定されるため、変動金利と比べて将来の返済額を見通しやすいという特徴があります。ただし、固定金利への変更や借り換えによって、必ず負担が軽くなるわけではありません。
一般に、固定金利は変動金利よりも高い水準に設定される場合があり、変更時点の金利によっては毎月の返済額が増える可能性もあります。また、固定期間選択型と全期間固定型では、金利が固定される期間や条件が異なります。
現在の住宅ローンで金利タイプを固定金利に変更できるかどうかは、金融機関によって異なります。固定金利を検討する場合には、まずは契約内容を確認ましょう。確認をした上で比較することが重要です。
方法3:金融機関に返済条件を相談する
金利上昇や収入減少によって返済が難しくなりそうな場合は、早めに借入先の金融機関へ相談する方法もあります。状況によっては、返済期間の延長や一定期間の返済額の調整など、返済条件の変更について相談できる可能性があります。もちろん希望する条件に必ず変更できるとは限らず、金融機関による審査や判断が必要です。
また、返済期間を延長すると毎月の返済額を抑えられる場合がある一方、利息負担が増えて総返済額が大きくなる可能性もあります。
返済が難しくなってから滞納を続けるのではなく、返済が厳しくなる兆候がある段階で相談することが大切です。
方法4:家計を見直し、返済余力を確保する
住宅ローンの返済額が増えても、家計全体を見直すことで対応できる場合があります。毎月の固定費や保険料、通信費、サブスクリプションなどを見直し、住宅ローンの返済に充てられる資金を確保する方法です。この方法で資金をある程度確保できる可能性もありますが、生活費を切り詰めるだけでは長期的な解決にならないこともあります。特に、金利がさらに上昇した場合や、収入が減少した場合にも対応できるかどうかを考えておく必要があります。
家計の見直しによって対応できる範囲と、対応が難しい範囲を整理し、必要に応じて借り換えや売却などの選択肢も比較しましょう。
住宅ローンの金利上昇を理由に家を売る場合の注意点
家の売却を具体的に進める場合は、金利上昇による返済負担だけでなく、不動産市場や売却後の生活にも目を向ける必要があるでしょう。
ここでは不動産売却をする際の周辺環境の注意点をご紹介します。
不動産の売却価格は金利だけで決まらない
金利上昇は、不動産市場にも影響を与える可能性があります。
実際に、住宅ローンの金利が上昇すると、住宅を購入する人の借入負担が増え、購入予算を見直すケースが考えられます。その結果、物件によっては需要が弱まったり、売却までに時間がかかったりする可能性もあります。
一方で、不動産の価格は、金利だけでなく、立地や築年数、建物の状態、周辺の取引事例、地域の需要など、さまざまな要因によって変わります。金利が上昇しているからといって、すべての不動産価格が下落するわけではありません。
将来の不動産価格や金利の動向を正確に予測することも困難です。そのため、「金利がもっと上がる前に売らなければならない」と急いで判断するのではなく、現在の市場でどの程度の価格で売却できそうかを確認することが重要です。
売却には諸費用がかかる
不動産を売却する際には、仲介手数料や抵当権抹消に関する費用などが発生する場合があります。その他にも物件や売却の状況によっては、測量費用や解体費用、引っ越し費用などが必要になることもあります。
そして、売却によって利益が生じた場合には、譲渡所得税などがかかる可能性があります。
ただし、マイホームの売却では、一定の要件を満たすことで譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例などが適用される場合もあります。適用要件やほかの特例との関係については、国税庁の案内などで確認しましょう。売却価格だけを見て判断すると、想定していたほど資金が残らない可能性があります。
売却を行う場合には、住宅ローンの残債に加え、売却費用や税金、住み替えに必要な費用まで含めて資金計画を立てましょう。
売却のタイミングは家計と生活設計を踏まえて考える
金利が上昇する局面では、早く売却したほうがよいのではないかと考えるかもしれません。しかし、売却のタイミングは、金利の動向だけで決めるものではありません。子どもの進学や転校、転勤、家族の介護など、住まいに関する事情によっても、適切なタイミングは異なります。また、売却を急ぐと、希望する価格で買主が見つからず、価格を引き下げなければならないケースも考えられます。
反対に、返済が厳しくなっているにもかかわらず判断を先送りすると、貯蓄が減少し、売却や住み替えに使える資金が少なくなる可能性があります。
大切なのは、金利上昇への不安だけで行動するのではなく、返済の継続可能性と売却に必要な条件を具体的に把握することです。
家を売却するか判断するための具体的な手順

ここまで解説したように、住宅ローンの金利上昇に対しては、売却以外にも複数の選択肢があります。
実際に判断する際は、次の手順で情報を整理していくとよいでしょう。
STEP1:住宅ローンの残債と返済条件を確認する
まずは、現在の住宅ローンについて、次の情報を確認しましょう。
- 現在の住宅ローン残高
- 適用金利と金利の見直し条件
- 毎月の返済額と元金・利息の内訳
- 残りの返済期間
- 金利上昇時の返済額の試算
- 繰り上げ返済や借り換えの条件
金融機関から届く返済予定表やインターネットバンキングなどを利用すれば、確認できる情報もあります。今後の金利上昇によって返済額がどの程度増える可能性があるのか、複数のケースを想定しておくと、売却の必要性を判断しやすくなるでしょう。
STEP2:不動産の査定を依頼する
次に、現在の家がいくらで売却できそうかを確認します。
不動産会社に査定を依頼すれば、周辺の取引事例や物件の条件などを踏まえた売却価格の目安を把握できます。
査定価格は、必ずその価格で売却できることを保証するものではありません。また、不動産会社によって査定価格や販売方針が異なる場合もあるため、必要に応じて複数社に相談し、査定の根拠や販売戦略を比較するとよいでしょう。
STEP3:売却後に残る資金を計算する
査定価格が分かったら、住宅ローンの残債や売却費用と比較します。売却後に資金が残るのか、不足分を自己資金で補う必要があるのかを整理しましょう。
| 確認する項目 | 内容 |
|---|---|
| 売却価格 | 不動産会社の査定などをもとに想定する金額 |
| 住宅ローン残債 | 売却時点で完済するために必要な金額 |
| 売却諸費用 | 仲介手数料、登記関連費用など |
| 税金 | 譲渡所得税などが発生する可能性 |
| 住み替え費用 | 引っ越し代、新居の初期費用など |
| 売却後の資金 | 売却に伴う収支を差し引いた後の金額 |
この計算によって、売却が現実的な選択肢になるかどうかを具体的に検討できます。
STEP4:住み続ける場合と売却する場合を比較する
売却後の収支が確認できたら、今の家に住み続けた場合と、売却して住み替えた場合を比較します。現在の住宅ローンを返済し続けるほうが、賃貸住宅に移るよりも住居費を抑えられるケースもあります。一方で、今後の金利上昇や収入減少によって返済が難しくなる可能性が高い場合は、早めに住み替えを検討するほうが適切なこともあります。
短期的な返済額だけでなく、今後数年間の家計や生活設計も踏まえて判断することが重要です。
STEP5:必要に応じて金融機関や専門家に相談する
住宅ローンの残債や売却価格を整理しても判断が難しい場合は、金融機関や不動産会社などの専門家に相談しましょう。借り換えや返済条件の変更については金融機関に、売却価格や売却にかかる費用については不動産会社に相談すると、具体的な情報を得られます。オーバーローンで売却が難しい場合や、すでに返済が滞っている場合は、任意売却などに詳しい専門家への相談も選択肢になります。
相談先によって得意分野が異なるため、自分が抱えている問題に応じて相談先を選ぶことが大切です。
まとめ|住宅ローンの金利上昇に不安を感じたら、まずは現状を把握しよう
住宅ローンの金利が上昇しても、必ずしも家を売却する必要はありません。現在の家計や今後の返済見通しを踏まえ、住み続けるか、売却するかを判断することが大切です。
まずは住宅ローンの残債や返済条件を確認し、不動産の査定で売却価格の目安を把握しましょう。売却費用や住み替え後の住居費も含めて比較することで、今後の生活設計に合った選択肢が見えてきます。
住宅ローンの金利上昇や家の売却について、判断に迷う場合は、ぜひ東京財託にご相談ください。