「借地権付き物件は売却できるのだろうか」
「地主の承諾がないと売れないと聞いたけれど本当?」
「借地権付きの家は相場より安くなってしまうのでは?」
このような疑問をお持ちの方は少なくありません。
借地権付き物件は、土地を所有しているわけではなく、地主から土地を借りて建物を所有するという特殊な権利形態です。そのため、所有権のある不動産とは売却方法や手続きが異なり、地主との交渉や契約内容の確認が重要になります。
一方で、「借地権だから売れない」というわけではありません。実際には、地主への売却だけでなく、第三者への譲渡や専門の不動産会社による買取など、状況に応じてさまざまな売却方法があります。また、借地契約の内容や土地の立地、建物の状態などによって価格や売却のしやすさも変わります。
このコラムでは、借地権の基本的な仕組みから、売却方法、地主との交渉のポイント、売却価格の決まり方、費用や注意点までを分かりやすく解説します。借地権付き物件の売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
借地権とは?まず知っておきたい基本知識

●借地権とは土地を借りて建物を所有する権利
借地権とは、地主から土地を借り、その土地の上に建物を所有するための権利です。
一般的な不動産では、土地と建物の両方を所有しています。しかし、借地権付き物件では土地は地主が所有し、建物だけを借地人が所有しています。そのため、土地の使用に対して毎月または毎年「地代」を地主へ支払うことになります。
例えば、自宅やアパートを建てる際に土地を購入するのではなく、地主から借りて建物だけを建てたケースが借地権付き物件です。
このような物件は都市部を中心に多く存在しており、相続によって取得した借地権付き物件の売却を検討するケースも少なくありません。
借地権そのものは財産として扱われるため、一定の条件を満たせば売却や相続、贈与なども可能です。ただし、土地の所有権は地主にあるため、通常の不動産売却とは異なるルールがあります。
借地権の3つの種類
借地権と一口にいっても、契約内容によって種類が異なります。
普通借地権
現在もっとも一般的なのが普通借地権です。
契約期間が満了しても、一定の条件を満たせば更新できるため、借地人の権利が比較的強く保護されています。住宅用として利用されている借地権の多くがこのタイプです。
定期借地権
定期借地権は、契約期間が終了すると更新されず、土地を地主へ返還することを前提とした契約です。契約期間が残り少ない場合は買主が見つかりにくくなることもあり、売却価格にも影響する可能性があります。
旧法借地権
1992年(平成4年)の借地借家法施行以前に契約されたものが旧法借地権です。契約内容によっては借地人の権利が非常に強く、更新も継続されるケースが多いため、市場でも比較的評価されることがあります。
借地権を売却する際には、自分の契約がどの種類なのかを事前に確認しておくことが大切です。
地上権と賃借権の違い
借地権は法律上、大きく「地上権」と「賃借権」に分けられます。
地上権
地上権は、土地を利用する権利が非常に強く保護されている権利です。地主の承諾がなくても一定の範囲で譲渡や売却ができる場合があり、自由度が高いことが特徴です。
ただし、実際には地上権が設定されているケースは多くありません。
賃借権
一方、多くの借地権付き物件は賃借権です。賃借権では、第三者へ借地権を譲渡する際に地主の承諾が必要となるケースが一般的です。
そのため、借地権の売却では契約内容だけでなく、地主との関係性や交渉が重要なポイントになります。
借地権付き物件は売却できるか

●結論として借地権付き物件は売却可能
「借地権付き物件は売れない」と思われることがありますが、実際には売却することができます。
借地権は法律上の財産権であり、一定の条件を満たせば第三者へ譲渡することも可能です。ただし、所有権付きの土地とは異なり、地主の承諾が必要になるケースや、契約内容によって売却条件が変わるケースがあります。
そのため、「売れるかどうか」ではなく、「どの方法で売却するか」が重要になります。
売却方法によって進め方は大きく異なる
借地権付き物件にはいくつかの売却方法があります。例えば、地主に直接買い取ってもらう方法であれば、手続きが比較的スムーズに進む場合があります。一方で、第三者へ売却する場合は、地主への譲渡承諾を取得したうえで買主を探す必要があります。
また、借地権を専門に扱う不動産会社へ買取を依頼すれば、短期間で現金化できる可能性があります。
さらに、地主と協力して土地(底地)と借地権を一緒に売却することで、所有権付き不動産として販売できるケースもあります。
このように、借地権付き物件は一つの売却方法しかないわけではありません。物件の状況や契約内容、売却を急ぐかどうかなどによって最適な方法は変わります。
売却前に確認しておきたいポイント
借地権付き物件の売却をスムーズに進めるためには、まず現在の状況を整理しておくことが大切です。次の項目を確認しておくと、不動産会社への査定依頼や地主との交渉も進めやすくなります。
売却前チェックリスト
| 確認項目 | 確認する理由 |
|---|---|
| 借地契約書 | 契約内容や譲渡条件を確認するため |
| 借地権の種類 | 普通借地権か定期借地権かで売却方法が変わるため |
| 契約期間 | 残存期間は査定価格にも影響するため |
| 地代 | 買主が引き継ぐ条件となるため |
| 地主との関係 | 承諾手続きが円滑に進むか確認するため |
| 建物の状態 | 査定価格に影響するため |
これらを事前に整理しておくことで、売却方法の選択や価格査定がスムーズになります。
では実際に、借地権付き物件はどのような方法で売却できるのでしょうか。次に、代表的な4つの売却方法を見ていきましょう。
借地権を売却する4つの方法

借地権付き物件の売却方法は一つではありません。売却先や目的によって最適な方法が異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで選択することが大切です。
ここでは代表的な4つの売却方法を紹介します。
借地権を売却する4つの方法
| 売却方法 | 売却価格 | 売却スピード | 地主の承諾 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| ① 地主へ売却 | △ | ◎ | 不要になることが多い | 早く売却したい |
| ② 第三者へ売却 | ◎ | △ | 必要 | 少しでも高く売りたい |
| ③ 不動産会社へ買取 | ○ | ◎ | 必要なケースが多い | 現金化を急ぐ |
| ④ 底地と同時売却 | ◎ | △ | 地主との協力が必要 | 資産価値を最大化したい |
1)地主へ売却する
もっともシンプルな方法が、土地の所有者である地主に借地権を買い取ってもらう方法です。
借地権と底地が一つになることで地主にもメリットがあるため、交渉がまとまれば比較的スムーズに売却できる可能性があります。
また、第三者への譲渡ではないため、承諾料が不要となるケースもあります。
一方で、地主は唯一の買主候補となるため、価格交渉では売主が不利になりやすい点には注意が必要です。
市場価格より低い金額を提示されるケースもあるため、事前に不動産会社へ査定を依頼し、相場を把握したうえで交渉することをおすすめします。
メリット
- 手続きが比較的シンプル
- 売却までの期間が短い場合がある
- 承諾料が不要になるケースがある
デメリット
- 売却価格が安くなりやすい
- 地主が購入を希望しない場合もある
2)第三者へ売却する
一般的な不動産売却と同じように、市場で買主を探す方法です。
もっとも高値で売却できる可能性がありますが、借地権付き物件の場合は地主の承諾が必要になるケースが多く、通常の売却より時間がかかる傾向があります。
また、買主も借地契約を引き継ぐことになるため、契約内容や地代、契約期間などを十分理解したうえで購入を判断します。
そのため、借地権の取引に慣れている不動産会社へ仲介を依頼することが重要です。
メリット
- 市場価格に近い金額で売れる可能性がある
- 複数の買主候補から選べる
デメリット
- 地主の承諾が必要
- 売却まで時間がかかる
- 承諾料が発生するケースがある
3)不動産会社へ買取を依頼する
売却を急いでいる場合は、借地権の買取を行っている不動産会社へ直接売却する方法もあります。
買取では会社が買主となるため、一般の買主を探す必要がなく、数週間程度で契約まで進むケースもあります。
建物の状態が悪い場合や、相続したものの活用予定がない借地権付き物件などでは、有力な選択肢となるでしょう。
一方で、買取価格は仲介による売却より低くなることが一般的です。
メリット
- スピーディーに現金化できる
- 契約不適合責任を免責できる場合が多い
- 売却活動が不要
デメリット
- 仲介より価格は低くなる傾向
- 買取会社によって査定額に差がある
4)底地と借地権を同時に売却する
あまり知られていませんが、もっとも高値で売却できる可能性がある方法です。
地主が所有する「底地」と、借地人が持つ「借地権」を一体で売却すると、買主は土地と建物をまとめて取得できます。
つまり、「所有権付き不動産」として販売できるため、市場価値が高まりやすいのです。
もちろん地主との協力が前提になりますが、双方にとってメリットがあるケースも多く、近年ではこの方法を提案する不動産会社も増えています。
資産価値を最大化したい場合は、一度検討してみる価値があるでしょう。
【ポイント】地主との関係が良好であれば、「同時売却」は非常に有効な選択肢です。
借地権売却で地主の承諾が必要な理由
借地権付き物件の売却では、「地主の承諾」という言葉をよく耳にします。では、なぜ承諾が必要なのでしょうか。

借地権の多くは「賃借権」です。
賃借権は、地主との信頼関係を前提に土地を貸している契約です。もし借地人が地主に無断で第三者へ譲渡すると、地主は知らない相手へ土地を貸すことになります。
そのため、民法や借地借家法では、賃借権を譲渡する際には地主の承諾を得ることが原則とされています。
つまり、地主の承諾は「売却を妨げるため」ではなく、「契約相手が変わることへの同意」を得るための手続きと考えると分かりやすいでしょう。
承諾料とは?相場と交渉のポイント
第三者へ借地権を売却する場合、地主へ「承諾料」を支払うケースがあります。
承諾料は法律で金額が決められているわけではありません。地主と借地人との話し合いによって決まります。
承諾料の一般的な目安
| 内容 | 目安 |
|---|---|
| 譲渡承諾料 | 借地権価格の約10%前後 |
| 建替承諾料 | 更地価格の3〜5%程度 |
| 条件変更承諾料 | 契約内容によって異なる |
※地域や契約内容によって異なります。
承諾料はあくまで目安であり、必ず10%というわけではありません。土地の立地や借地契約の内容、地主との関係などによって大きく変わります。また、売買契約の条件によっては、買主が承諾料を負担するケースもあります。
そのため、売却前に一人で地主と交渉するのではなく、借地権に詳しい不動産会社へ相談しながら進めることが大切です。
地主との交渉を円滑に進めるポイント
地主との交渉は、借地権売却の成否を左右する重要なステップです。円滑な話し合いができれば、売却までの期間短縮にもつながります。
地主との交渉を円滑に進めるポイント
- 売却の意思を早めに伝える
- 契約内容を事前に確認する
- 感情論ではなく条件を整理して話し合う
- 不動産会社を交えて交渉する
- 承諾料だけでなく今後の地代なども含めて協議する
借地権の売却価格・相場はどう決まるのか
借地権付き物件を売却する際、多くの方が気になるのが「いくらで売れるのか」という点でしょう。しかし、借地権には「〇〇万円」という決まった相場があるわけではありません。土地の立地や借地契約の内容、地主との関係、建物の状態など、さまざまな要素を総合的に判断して価格が決まります。また、「相続税評価額に記載されている借地権割合=売却価格」と誤解されることもありますが、実際の市場価格とは異なります。
ここでは、借地権の価格がどのように決まるのかを詳しく見ていきましょう。
借地権の売却価格の目安
借地権の売却価格は、一般的に更地価格(所有権価格)の50〜70%程度が一つの目安とされています。
ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、すべての物件に当てはまるわけではありません。
売却先ごとの価格イメージ
| 売却先 | 売却価格の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 地主 | 更地価格の50〜70%程度 | 売却しやすいが価格は低め |
| 第三者 | 更地価格の60〜70%程度 | 市場価格に近くなりやすい |
| 不動産会社による買取 | 更地価格の50〜60%程度 | スピード重視 |
| 底地と同時売却 | 所有権価格に近づく可能性 | 最も高値が期待できるケースも |
※あくまで一般的な目安であり、実際の価格は物件ごとに異なります。
借地権の価格を左右する7つのポイント
借地権の査定では、主に次のような項目が評価されます。
1)土地の立地
最も大きな要素が立地です。駅からの距離や周辺環境、商業施設へのアクセス、将来性などによって価格は大きく変わります。借地権であっても、人気エリアでは高値で取引されるケースがあります。
2)借地契約の残存期間
契約期間が長く残っているほど、買主にとって安心材料になります。一方、契約満了が近い場合は、更新の可否や更新料などが不透明になるため、売却価格が下がることがあります。
3)地代の金額
毎月支払う地代も重要です。同じエリアでも地代が相場より高い場合は、買主の負担が増えるため、売却価格に影響することがあります。
4)建物の状態
借地権だけでなく、建物の資産価値も査定対象です。築年数が浅く、適切に管理されている建物は評価されやすくなります。反対に、老朽化が進んでいる場合は、解体費用を考慮して査定額が下がることもあります。
5)地主との関係性
借地権ならではの評価ポイントです。地主との関係が良好であれば、承諾や契約更新がスムーズに進みやすく、買主も安心して購入できます。一方で、過去にトラブルがある場合は、売却活動に影響するケースもあります。
6)借地権の種類
普通借地権なのか、定期借地権なのかによっても評価は変わります。契約更新が可能な普通借地権は、一般的に評価されやすい傾向があります。
7)市場動向
不動産市場全体の状況も価格に影響します。金利や景気、不動産需要などによって、同じ借地権付き物件でも売却価格が変動することがあります。
POINT
借地権の価格は、「借地権だから安い」のではなく、権利関係・契約内容・市場性を総合的に評価して決まるという点を理解しておきましょう。
「借地権割合」と「売却価格」は同じではない
借地権の売却でよくある誤解が、「借地権割合=売却価格」だという考え方です。例えば、路線価図に「借地権割合70%」と表示されている地域があります。
これを見て、「土地価格が5,000万円だから、借地権は3,500万円で売れる」と考える方もいます。
しかし、これは正しくありません。
借地権割合は、相続税や贈与税を計算するための税務上の評価割合であり、市場で売買される価格を示すものではないためです。実際の売却価格は、前述したように、契約内容や地代、建物の状態、地主との関係、市場動向などを総合的に考慮して決まります。
そのため、売却を検討する際は、借地権の取引実績が豊富な不動産会社へ査定を依頼し、市場価格を把握することが重要です。
借地権売却にかかる費用も考慮に
借地権付き物件を売却する際は、売却価格だけでなく諸費用も考慮しておくことが大切です。
借地権売却にかかる主な費用
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 不動産会社へ支払う報酬 |
| 承諾料 | 地主へ支払う場合がある |
| 印紙税 | 売買契約書に必要 |
| 登記費用 | 登記手続きにかかる費用 |
| 譲渡所得税 | 売却益が出た場合に課税 |
これらの費用を差し引いた金額が、最終的に手元へ残る金額となります。
借地権付き物件を売却する流れ
借地権付き物件の売却は、一般的な不動産売却よりも確認事項が多くなります。
あらかじめ流れを理解しておくことで、スムーズに手続きを進められるでしょう。
↓
② 不動産会社へ査定依頼
↓
③ 売却方法を決定
↓
④ 地主へ相談・承諾取得
↓
⑤ 売買契約を締結
↓
⑥ 決済・引き渡し
それぞれの流れについて、詳しく見ていきましょう。
1)借地契約の内容を確認する
まずは借地契約書を確認し、借地権の種類や契約期間、更新時期、地代、譲渡に関する条項などを把握しましょう。契約内容によっては、地主への事前連絡や特別な手続きが必要な場合もあります。
2)不動産会社へ査定を依頼する
借地権の価格は専門的な判断が必要です。そのため、借地権の売買実績が豊富な不動産会社へ査定を依頼することをおすすめします。
査定は1社だけでなく、複数社へ依頼すると価格や提案内容を比較しやすくなります。
3)売却方法を決める
査定結果を参考に、
- 地主へ売却するのか
- 第三者へ仲介するのか
- 買取を利用するのか
など、売却方法を決定します。
4)地主から承諾を得る
第三者へ譲渡する場合は、地主へ売却の意思を伝え、必要に応じて承諾を得ます。承諾料についても、この段階で協議することが一般的です。
5)売買契約を締結する
条件がまとまれば、買主と売買契約を締結します。借地契約に関する内容も重要になるため、不明点は事前に確認しておきましょう。
6)決済・引き渡し
残代金の受領と同時に、借地権や建物を買主へ引き渡します。必要に応じて所有権移転登記などの手続きも行います。
借地権売却でよくあるトラブルと対処法

借地権付き物件は、所有権のある不動産に比べて権利関係が複雑です。そのため、契約内容や地主との関係によっては、売却が思うように進まないケースもあります。
ここでは、借地権売却で起こりやすいトラブルと、その対処法を紹介します。
地主が売却を承諾してくれない
もっとも多いのが、地主から譲渡承諾を得られないケースです。
理由としては、
- 買主に不安を感じている
- 地主自身が買い取りたいと考えている
- 契約内容に問題がある
- 地主との関係が悪化している
などが挙げられます。
まずは、地主が承諾しない理由を確認し、条件の見直しや話し合いを行うことが大切です。また、借地借家法では、一定の条件を満たす場合には裁判所へ「借地非訟」の申立てを行い、地主の承諾に代わる許可を得られる可能性があります。
ただし、時間や費用がかかるため、まずは話し合いによる解決を目指すことが望ましいでしょう。
承諾料が相場より高額
承諾料は法律で決められているものではありません。そのため、地主から一般的な相場を大きく超える金額を求められるケースもあります。
このような場合は、地域の相場や過去の事例をもとに交渉することが重要です。借地権に詳しい不動産会社や弁護士に相談することで、適切な金額で合意できる可能性があります。
買主が見つからない
借地権付き物件は、
- 地代の支払いがある
- 地主との契約を引き継ぐ
- 建替えに制限がある場合がある
といった理由から、所有権付き物件よりも購入希望者が限られる傾向があります。そのため、一般的な不動産会社では販売が長期化することもあります。借地権の取引実績が豊富な不動産会社へ依頼することで、適切なターゲットへ販売しやすくなります。
相続した借地権の扱いが分からない
相続によって借地権付き物件を取得したものの、
「住む予定がない」
「管理できない」
というケースも少なくありません。
まずは契約内容や更新時期を確認し、活用するのか売却するのかを早めに検討しましょう。放置すると建物の老朽化が進み、資産価値が下がる可能性があります。
借地権売却でよくあるトラブル
| トラブル | 主な原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 地主が承諾しない | 契約・関係性 | 話し合い、専門家へ相談 |
| 承諾料が高い | 条件交渉 | 相場を確認して交渉 |
| 買主が見つからない | 市場性 | 借地権に強い不動産会社へ依頼 |
| 売却価格が低い | 査定不足 | 複数社へ査定依頼 |
借地権付き物件を少しでも高く売るポイント

借地権付き物件は、売却方法や準備によって価格が変わることがあります。少しでも納得できる価格で売却するために、次のポイントを意識しましょう。
1)借地権の実績が豊富な不動産会社へ依頼する
借地権は専門知識が必要な分野です。一般的な住宅売買を中心とする不動産会社では、適正な査定や地主との交渉に十分対応できないケースもあります。借地契約や底地の知識、地主との交渉経験が豊富な会社へ相談することが、売却成功への近道です。
2)複数社へ査定を依頼する
査定額は不動産会社によって異なります。一社だけで判断するのではなく、複数社の査定結果を比較することで、相場や各社の販売戦略を把握できます。
また価格だけではなく、
- 借地権の取扱実績
- 販売方法
- 地主との交渉サポート
なども比較するとよいでしょう。
3)地主との関係を良好に保つ
地主との関係が円滑であることは、借地権売却において大きな強みになります。承諾手続きがスムーズに進むだけでなく、買主にとっても安心材料になります。
売却を考え始めた段階で、早めに相談しておくことも有効です。
4)底地との同時売却も検討する
地主の協力が得られる場合は、底地と借地権を一体で売却する方法も検討しましょう。所有権付き不動産として販売できるため、市場価値が高まり、結果として双方にメリットが生まれるケースがあります。特に都市部では、有効な選択肢となることがあります。
5)建物の管理状態を整える
建物の印象は査定や内覧時の評価にも影響します。
大規模なリフォームまでは必要ありませんが、
- 室内の整理整頓
- 清掃
- 不要品の処分
- 雨漏りなどの不具合の確認
を行うだけでも、買主に与える印象は変わります。
POINT
「借地権だから高く売れない」と決めつける必要はありません。
売却方法や不動産会社の選び方、地主との交渉によって、売却条件が大きく変わることがあります。
借地権売却は専門家への相談が成功のポイント
借地権付き物件は、通常の不動産売却とは異なり、借地契約の内容や地主との関係、承諾手続きなど、多くの確認事項があります。また、相続や資産整理をきっかけに売却を検討するケースでは、不動産だけでなく資産全体を見据えた判断が求められることも少なくありません。
そのため、「査定額が高い会社」を選ぶだけではなく、借地権に関する知識や実績が豊富で、契約内容や権利関係を踏まえて提案できる不動産会社へ相談することが重要です。
東京財託では、不動産投資や資産運用の視点も踏まえながら、一人ひとりの状況に応じたご提案を行っています。借地権付き物件の売却についてお悩みの方は、まずは現在の契約内容や資産状況を整理することから始めてみてはいかがでしょうか。
よくある質問(FAQ)
Q. 借地権だけを売却することはできますか?
はい、可能です。ただし、借地権の多くは賃借権であるため、第三者へ譲渡する際には地主の承諾が必要となるケースが一般的です。
Q. 地主が承諾してくれない場合は売却できませんか?
まずは話し合いによる解決を目指します。どうしても承諾が得られない場合でも、一定の条件を満たせば裁判所へ借地非訟を申し立て、許可を得られる可能性があります。
Q. 承諾料はいくらかかりますか?
法律で決められた金額はありませんが、一般的には借地権価格の約10%前後が目安とされています。ただし、契約内容や地域、地主との協議によって異なります。
Q. 相続した借地権付き物件も売却できますか?
はい、売却できます。相続した借地権も財産として譲渡が可能です。ただし、契約内容や地主との手続きについて事前に確認することが重要です。
Q. 借地権と底地を一緒に売却するメリットはありますか?
あります。借地権と底地を一体で売却することで、所有権付き不動産として販売できるため、資産価値が高まり、高値で売却できる可能性があります。
まとめ|借地権売却は準備が成功のカギ

借地権付き物件は、所有権付き不動産とは異なり、地主との関係や借地契約の内容が売却に大きく影響します。しかし、適切な手続きを踏めば売却は十分可能であり、地主への売却、第三者への譲渡、不動産会社への買取、底地との同時売却など、状況に応じた選択肢があります。
売却価格は、立地や建物の状態だけでなく、契約期間や地代、借地権の種類、地主との関係性など、さまざまな要素を総合的に判断して決まります。そのため、まずは契約内容を確認し、借地権の取引実績が豊富な不動産会社へ査定を依頼することが大切です。
借地権付き物件の売却は、権利関係が複雑な分、専門的な知識と経験が求められます。将来の資産活用や相続も見据えながら、信頼できる専門家と相談し、自分に合った売却方法を選択しましょう。